今年で第13回目の開催となりました「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2019」。
当ブログは2007年の第1回より皆勤賞で投票に参加しているイベントです。本日、きゅりあん(品川区総合区民会館)小ホールにて表彰式が行われました。
投資信託について情報を集めてはブログ記事を書いている投信ブロガーが、今年のナンバー1として選ぶファンドは、金融機関が発表するランキングとは大きく異なっていて、ある意味マニアックな内容ですが、個人投資家にとっては非常に参考になる情報だと思います。
今年の受賞ファンドについて、ランキングを見てみましょう。
「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」とは
証券会社の宣伝やうたい文句にまどわされず、自分たちにとって本当によいと思える投資信託を投信ブロガーたちが投票で選び、それを広めることで「自分たちの手でよりよい投資環境を作っていこう!」というイベントです。
最初はrennyさんの ブログ内の一企画 として始まったものが、メディアにも取り上げられるようになりました。
今回の有効投票者数は221名。投票資格は以下の2点のみ。
- “投信ブロガー”であること
- 2019年9月30日までにブログを開始していること。
表彰式 第一部 かしこい投資家なら知っておきたい! 公的年金 3つのポイント(慶應大学 商学部教授 権丈善一氏)
かしこい投資家なら知っておきたい! 公的年金 3つのポイントとして、慶應大 商学部教授の権丈善一先生が講演下さいました(東洋経済で連載されている模様)。
とりあえず、お話のポイントの最初の1つは「公的年金は保険であって、普通の金融商品とは異なる」という話。
ジョークも混じえつつ興味深いお話で、先生の著書を読んでみたくなりました。このパートについてはボリュームが大きすぎるので後日別に記事にしたい。
第1位 eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)
eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)は、今回私が5ポイント投じたファンドです。
前回の3位から一気に飛躍しての1位。これには、信託報酬の引き下げや、設定から1年が経って運用報告書が出た事などプラスの要因がありましたが、究極の長期投資ビークルとしてずっと求められていたのに、海外ETFを除きファンドの設定が無かった全世界株式(含む日本)クラスがようやく1位となり、時代の節目を見たように感じます。
私自身、今後購入するファンドはeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)に一本化する方向で考えています。
第2位 eMAXIS Slim s&p 500
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は前回8位からの大躍進。
コストも非常に安いし、もしかしたら1位もあるのではと思わせる勢いのあるファンドです。
このレベルの信託報酬の実現には、販社さんの協力が非常に大切となっているとのこと。その運用会社と販売会社を繋ぐものとして、受益者からの声というのも役立っているようです。
実際、SBI・バンガードS&P500が超低コストで登場した際、eMAXIS Slim米国株式が対抗して信託報酬を下げるのにしばらく時間がかかりましたが、最後に後押ししたのは投資家の声だったのでしょう。
ただ、私自身は単一国集中投資よりも国際分散投資派。果たして、一時のブームではなく、10年後も上位にランクインしているか?
第3位 eMAXIS Slim先進国株式インデックス
eMAXIS Slim先進国株式インデックスは前回1位からの下落となってしまいましたが、ポートフォリオの中核ファンドに変わりありません。
マザーファンドの規模が6,000億円を超え、スケールメリットを活かして低コストを実現しているという担当ファンドマネージャーさんのお話も面白かったです。
今年はついにeMAXIS Slimシリーズがトップ3を独占しました。
常務取締役の代田氏のコメントでは、今回2年連続で1位をeMAXISシリーズが取ることができたが、良きライバルと競争の中で盛り上がる事が大切とのお話がありました。
ニッセイ外国株式やたわらノーロード先進国株式とは良きライバルとして切磋琢磨する関係ですので、各社とも来年度に向けて盛り上がりを期待します。
第4位 <購入換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
<購入換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドは前回2位からの陥落。
常務執行役員 上原氏の挨拶でもありましたが、当ファンドが2016年に既存ファンドの信託報酬を下げたのが今のコスト競争の流れの起点となっていますし、初めて外国株クラスで信託報酬0.1%の壁をぶち破ったのも当ファンド。
登場から3年連続で投信ブロガーが選ぶ!ファンドオブザイヤー1位を獲った華麗な経歴から、今の4位というポジションは悔しいに違いありません。
このファンド、資産残高が1,600億円を超えるまで成長してきました。
とにかく、残高が増えたら利益を皆で分かち合う、新たなファンドを作るのではなく誰一人取り残さないという理想を実現するためには、全ての販社と条件が整わないと出来ません。
が、なんと、2月から信託報酬を最安の0.0930%(税抜)に下げると、会場で発表がありました! 後日プレスリリースが出ています。
今年も目が離せないファンドです。
第5位 eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は前回5位と変わらず。
うちの妻がつみたてNISAでつみたてているファンドです。リバランス不要で株も債券も不動産も分散投資でき、ある意味これがほったらかし投資の最終形態かもしれません。
8資産均等型バランスファンドは今でこそ当たり前の様ですが、2011年にeMAXISバランスが出たのが最初なんですね。
第6位~第10位
第6位 楽天・全米株式インデックス・ファンド
第7位 セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
第7位 グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)
第9位 バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)
第10位 SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド
10位内が全てパッシブファンド(インデックスファンドを用いているもの全て含めた広い意味で)になったのは今回が始めてだそうです。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは、低コストバランスファンドのパイオニアであり今でも安定した人気があります。投資している顧客の質も良いので、きっと暴落時にも安定して資金が入ってくることでしょう。
グローバル3倍3分法ファンドは昨年末に話題になりましたが、正直、私自身は買うつもりがないので、当ブログでは取り上げたことがありません。。。
バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)は、個人投資家のリーサル・ウェポンと言われる人気商品で、私も以前に保有していましたが、長期投資のビークルとして海外ETFにこだわる意味がどこまであるのか。マニアだけのものになりつつあるのではないか。eMAXIS Slimオールカントリーなど、全世界株式ファンドの登場もあり、年々順位を下げています。
第11位~第20位
第11位 たわらノーロード先進国株式
第12位 農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね
第13位 eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
第14位 ひふみ投信
第15位 結い2101
第16位 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
第17位 野村つみたて外国株投信
第18位 eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)
第19位 野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型
第20位 eMAXIS Slim 新興国株式
トップ10外ですが、12位にランクインした、農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶねは、米国に上場している企業への長期厳選投資により投資信託財産の中長期的成長を目指すアクティブファンドという珍しい(面白い)存在です。熱いコメントが寄せられていましたし、興味を持たれている人が多かったですね。
そんな訳で、懇親会まで含めて楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいましたが、ボランティアで会を運営頂いたスタッフの皆様、本当にありがとうございました。
また、懇親会でお相手頂いた方々ありがとうございました。
この記事の感想を下のコメント欄でお寄せください