「世界経済インデックスファンド」は国内外の株式・債券に投資する6資産分散型のインデックスファンドで、私の妻が以前につみたてていたファンドです(いまも保有したまま完全に忘れている模様)。
今回第10期の決算ということで運用報告書がアップされましたので、ファンドの特徴と運用結果をざっと確認してみます。
世界経済インデックスファンドは、10年前の新規設定から今でも地銀を中心に販社を広げており、根強い人気で毎月の資金流入もプラスを維持していますが、さすがに最近の低コストバランスファンドとのコスト差は大きく、私の妻はより低コストな「eMAXIS Slim バランス」をつみたてNISAで購入するようになっています。
世界経済インデックスファンドの特徴
三井住友TAMが運用する「世界経済インデックスファンド」は世界の債券および株式の6資産に分散投資するバランスファンドです。
- 純資産額 617億円(2019年3月15日現在)
- 信託報酬 年率0.54%(税抜0.5%)
信託報酬コストは最近ではやや高めに感じますが、500億円を超える純資産額があり、資金流入が続いている人気のバランスファンドです。
つみたてNISAの対象銘柄となっており、ネット証券をはじめ、地方の銀行や信託銀行でも取扱のあるところが多い。
資産配分は株式/債券比率が半分ずつと保守的な内容ですが、GDP(国内総生産)総額の比率を参考に域別(日本、先進国、新興国)の組入比率を決定しており、新興国比率が比較的高く(株式債券合わせて30%)、日本国比率が合計10%と低い点が特徴です。また、REITクラスを含まない点も特徴といえます。
新興国を手厚く、REITには特別に投資はしないというアセットアロケーションは、私のアセットアロケーションのとも方向性が似ており、私好みのバランスファンドの一つです。
実質的なコストについて
投資信託では予め明示されている信託報酬コストの他に、「売買委託手数料」「保管費用」といった名目でその他のコストがかかっており、この事前に見えない隠れコストの確認が重要となります。
運用報告書9ページ目の「1万口(元本 10,000 円)当たりの費用の明細 」より実際にかかったコストをチェックします。
実質コストは過去4年を見ると、0.637%⇒0.631%⇒0.623%⇒0.604%と安定して少しずつ下がっています。
単にスケールメリットが出ているのか、積極的なコスト削減努力がされているのかはわかりませんが、10年続いたファンドの安定感は安心して投資できる印象です。
運用実績について
運用報告書2ページ目に戻ります。今期の運用実績は-8.2%でした。昨年1月~12月の私個人の運用成績が-8.9%でしたので、低コストファンドを求めてあれこれ余計なことをしなくても、適度に分散されたバランスファンド1本持っておけば良かったという良い例ですね。
実は前期も私の運用は当ファンドに負けており(世界経済インデックスファンド+16.0%、私の運用+13.1%)、プラスの時も、マイナスの時もバランスファンドの方が運用成績が良いというのは本当にショックです。
資産運用はバランスファンド1本に全てお任せして、限られた自分の時間はもっと有意義に使うという運用方法は、実際にアリだと思います。
各マザーファンドの状況
- 国内株式 -15.4%
- 国内債券 +1.3%
- 外国株式 -7.6%
- 外国債券 -3.6%
- 新興国株式 -16.4%
- 新興国債券 -7.8%
当ファンドの選定ポイント
世界経済インデックスファンドは2009年に設定されたファンドですが、当時の低コストインデックスファンドの牽引役であったSMTインデックスファンドシリーズ(今でも純資産が多く広く人気があります)とマザーファンドを同じとし、その品質は一定の信用と実績があります。
くどいようですが、GDP比に基づく資産配分が特徴的で、REITを含まず、時価総額比に比べると新興国比率が高いので、リスクがやや高めとなる点を承知出来るかどうかが選択のポイントです。
eMAXIS Slimなど8資産均等分散のアセットアロケーションはシンプルではありますが、やっぱり資産クラスの配分を考慮したファンドの方が好みという人も多いのかもしれません。
資金流出入は下図のとおり安定してプラスを維持しています。
(出典:モーニングスターより)
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