2010年5月25日

ネット上で入手可能な、期待リターンとリスク、相関係数のデータ

資産配分(アセットアロケーション)を考える際に、どのような配分が最も効率的なのか?気になるところですが、実はMSエクセルの「ソルバー」機能を使えば簡単に最適化の計算が出来ます。

が、ここで問題になるのは、どのような「期待リターン」と「リスク」を前提として計算するか?という点です。

公表されている「期待リターン」と「リスク」のデータとして有名なものではGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のものがあります。
・「基本ポートフォリオの検証について(平成20年6月23日)

GPIF(1973年~2007年)データ
 期待リターンリスク
国内債券2.8%5.4%
国内株式5.3%22.15%
外国債券3.4%13.25%
外国株式6.0%19.59%
短期資金2.1%3.72%
 
相関係数
 国内債券国内株式外国債券外国株式短期資金
国内債券1.00    
国内株式0.161.00   
外国債券-0.06-0.251.00  
外国株式-0.050.270.561.00 
短期資金0.460.01-0.05-0.111.00

 

その他にネット上で公表されているデータとしては、「KKR(国家公務員共済組合連合会) 資産運用委員会意見書 附属資料(H22.3.8)」や「ニッセイ基礎研究所 年金ストラテジー(Vol. 145) 2008」、「みずほ信託銀行 長期投資環境見通しと資産別期待リターン・リスク」が見つかりましたので以下にメモ。

KKR (2000年~2009年12月)データ
 期待リターンリスク
国内債券1.2%2.0%
国内株式4.2%18.4%
外国債券1.1%10.0%
外国株式4.2%19.5%
短期資金0.1%0.1%
 
相関係数
 国内債券国内株式外国債券外国株式短期資金
国内債券1.0    
国内株式0.01.0   
外国債券0.20.31.0  
外国株式0.00.70.41.00 
短期資金0.00.00.00.01.0

 

ニッセイ基礎研究所 (1987年~2006年)データ
 期待リターンリスク
国内債券4.6%3.6%
国内株式5.5%19.5%
外国債券6.1%10.6%
外国株式10.8%17.5%
短期資金2.3%0.7%
 
相関係数
 国内債券国内株式外国債券外国株式短期資金
国内債券1.00    
国内株式0.021.00   
外国債券0.05-0.061.00  
外国株式-0.030.310.551.00 
短期資金0.18-0.02-0.06-0.031.00

 

みずほ信託銀行 (2010年4月現在)データ
 期待リターンリスク
国内債券3.5%3.7%
国内株式6.0%21.6%
外国債券3.5%12.6%
外国株式6.0%20.2%
短期資金2.5%3.5%
 
相関係数
 国内債券国内株式外国債券外国株式短期資金
国内債券1.0    
国内株式0.01.0   
外国債券-0.1-0.21.0  
外国株式-0.10.30.61.0 
短期資金0.30.10.10.01.0

実際に、これらを用いて最適なアセットアロケーションを求めるには、以下の山崎元氏のコラムが参考になります。


Yahoo!ブックマークに登録 この記事をクリップ! このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - ネット上で入手可能な、期待リターンとリスク、相関係数のデータ

この記事に関連のある記事

スポンサードリンク

Twitterでのつぶやかれ

コメント

直感的な期待リターンだともっとも保守的にも見えるKKRの数字が実感に近いように感じました。まぁ、昔の記憶ほどよく覚えていないし、最近の記憶の影響が強いから、と言ってしまえばそれまでかもしれませんが。

>のらさん
コメントありがとうございます。
短期資金の期待リターンからしてKKR以外はえらく高いと感じますね。
リスクも期待リターンも「将来のリスク」、「将来の期待リターン」の予測なので、結局どれが良いとも言えないのでしょうが。

下記のブログも良いですよ。(^^
http://williberich.at.webry.info/

>Tansney Gohnさん
どうも情報ありがとうございます。
全くノーマークでしたが、面白い内容ですね。

GPIF : 名目リターン
KKR : 実質リターン

単純比較をしてはいけないような。。。

>匿名さん
ありがとうございます。
GPIFは実質リターンにCPI(+1.0%)を上乗せしている値を用いているのですね。

じゅん様

GPIFは計算式を公表しているので、下記のように再計算もできます。

(CPI上昇率 0%、かつ、H22.4.30 の場合)


国内債券 = 実質長期金利 + CPI上昇率
= (名目長期金利-CPI上昇率) + CPI上昇率
= 10年国債最終利回り
= 1.28

国内株式 = 実質リターン + CPI上昇率
= 4.32 (PDF P6 中央値)

外国債券 = 実質短期金利 + リスクプレミアム + CPI上昇率
= (名目短期金利-CPI上昇率) + リスクプレミアム + CPI上昇率
= コール有担保翌日 + リスクプレミアム
= 0.07 + 1.4 (PDF P7 過去29年平均)
= 1.47

外国株式 = 実質短期金利 + リスクプレミアム + CPI上昇率
= (名目短期金利-CPI上昇率) + リスクプレミアム + CPI上昇率
= コール有担保翌日 + リスクプレミアム
= 0.07 + (6.5 - 2) (PDF P8 過去29年平均)
= 4.57

こうしてみると、GPIFとKKRのリターンに差はあまりないです。

ちなみに、みずほ信託銀行のリターンも、「マイナス2」すれば、
KKRと同じくらいになります。

ビルディング・ブロック方式 の3つ (GPIF, KKR, みずほ) は実質では、ほぼ同一と言えると思います。
リスクプレミアム推計が同じぐらいと言うことです。

ヒストリカル方式 算術平均 (ニッセイ) は、年金などの長期運用には用いられないことが多いです。少しは参考にしますが。

>leaf さん
詳しい解説をありがとうございます。
良く期待リターンとリスクの数値だけが使われますが、こうして見るとその数字の出所(どういう意味のある値か)を知る事が大切ですね。
勉強になりました。

コメント入力フォーム

(※ 承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
/749

トラックバック

» 長期投資の期待リターンとリスク from 乙川乙彦の投資日記
じゅん@さんのブログで、おもしろい記事が書かれていました。 http://www.lay-up.net/archives/blog-entry-805-... 続きを読む

» 期待リターンとリスク、相関係数三兄弟 from のらブログ
リスク、期待リターン、相関係数の比較をじゅん@さんが行っている。コレを見ると結構違う、と言うことが分かる。 ネット上で入手可能な、期待リターンとリスク、... 続きを読む