ネット上で入手可能な、期待リターンとリスク、相関係数のデータ
資産配分(アセットアロケーション)を考える際に、どのような配分が最も効率的なのか?気になるところですが、実はMSエクセルの「ソルバー」機能を使えば簡単に最適化の計算が出来ます。
が、ここで問題になるのは、どのような「期待リターン」と「リスク」を前提として計算するか?という点です。
公表されている「期待リターン」と「リスク」のデータとして有名なものではGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のものがあります。
・「基本ポートフォリオの検証について(平成20年6月23日)」
| 期待リターン | リスク | |
| 国内債券 | 2.8% | 5.4% |
| 国内株式 | 5.3% | 22.15% |
| 外国債券 | 3.4% | 13.25% |
| 外国株式 | 6.0% | 19.59% |
| 短期資金 | 2.1% | 3.72% |
相関係数
| 国内債券 | 国内株式 | 外国債券 | 外国株式 | 短期資金 | |
| 国内債券 | 1.00 | ||||
| 国内株式 | 0.16 | 1.00 | |||
| 外国債券 | -0.06 | -0.25 | 1.00 | ||
| 外国株式 | -0.05 | 0.27 | 0.56 | 1.00 | |
| 短期資金 | 0.46 | 0.01 | -0.05 | -0.11 | 1.00 |
その他にネット上で公表されているデータとしては、「KKR(国家公務員共済組合連合会) 資産運用委員会意見書 附属資料(H22.3.8)」や「ニッセイ基礎研究所 年金ストラテジー(Vol. 145) 2008」、「みずほ信託銀行 長期投資環境見通しと資産別期待リターン・リスク」が見つかりましたので以下にメモ。
KKR (2000年~2009年12月)データ| 期待リターン | リスク | |
| 国内債券 | 1.2% | 2.0% |
| 国内株式 | 4.2% | 18.4% |
| 外国債券 | 1.1% | 10.0% |
| 外国株式 | 4.2% | 19.5% |
| 短期資金 | 0.1% | 0.1% |
相関係数
| 国内債券 | 国内株式 | 外国債券 | 外国株式 | 短期資金 | |
| 国内債券 | 1.0 | ||||
| 国内株式 | 0.0 | 1.0 | |||
| 外国債券 | 0.2 | 0.3 | 1.0 | ||
| 外国株式 | 0.0 | 0.7 | 0.4 | 1.00 | |
| 短期資金 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 1.0 |
ニッセイ基礎研究所 (1987年~2006年)データ
| 期待リターン | リスク | |
| 国内債券 | 4.6% | 3.6% |
| 国内株式 | 5.5% | 19.5% |
| 外国債券 | 6.1% | 10.6% |
| 外国株式 | 10.8% | 17.5% |
| 短期資金 | 2.3% | 0.7% |
相関係数
| 国内債券 | 国内株式 | 外国債券 | 外国株式 | 短期資金 | |
| 国内債券 | 1.00 | ||||
| 国内株式 | 0.02 | 1.00 | |||
| 外国債券 | 0.05 | -0.06 | 1.00 | ||
| 外国株式 | -0.03 | 0.31 | 0.55 | 1.00 | |
| 短期資金 | 0.18 | -0.02 | -0.06 | -0.03 | 1.00 |
みずほ信託銀行 (2010年4月現在)データ
| 期待リターン | リスク | |
| 国内債券 | 3.5% | 3.7% |
| 国内株式 | 6.0% | 21.6% |
| 外国債券 | 3.5% | 12.6% |
| 外国株式 | 6.0% | 20.2% |
| 短期資金 | 2.5% | 3.5% |
相関係数
| 国内債券 | 国内株式 | 外国債券 | 外国株式 | 短期資金 | |
| 国内債券 | 1.0 | ||||
| 国内株式 | 0.0 | 1.0 | |||
| 外国債券 | -0.1 | -0.2 | 1.0 | ||
| 外国株式 | -0.1 | 0.3 | 0.6 | 1.0 | |
| 短期資金 | 0.3 | 0.1 | 0.1 | 0.0 | 1.0 |
実際に、これらを用いて最適なアセットアロケーションを求めるには、以下の山崎元氏のコラムが参考になります。
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コメント
直感的な期待リターンだともっとも保守的にも見えるKKRの数字が実感に近いように感じました。まぁ、昔の記憶ほどよく覚えていないし、最近の記憶の影響が強いから、と言ってしまえばそれまでかもしれませんが。
Posted by のら at 2010年5月29日 15:40
>のらさん
コメントありがとうございます。
短期資金の期待リターンからしてKKR以外はえらく高いと感じますね。
リスクも期待リターンも「将来のリスク」、「将来の期待リターン」の予測なので、結局どれが良いとも言えないのでしょうが。
Posted by じゅん@
at 2010年5月30日 08:41
下記のブログも良いですよ。(^^
http://williberich.at.webry.info/
Posted by Tansney Gohn at 2010年6月 1日 06:55
>Tansney Gohnさん
どうも情報ありがとうございます。
全くノーマークでしたが、面白い内容ですね。
Posted by じゅん@
at 2010年6月 1日 19:21
GPIF : 名目リターン
KKR : 実質リターン
単純比較をしてはいけないような。。。
Posted by 匿名 at 2010年6月 4日 23:07
>匿名さん
ありがとうございます。
GPIFは実質リターンにCPI(+1.0%)を上乗せしている値を用いているのですね。
Posted by じゅん@
at 2010年6月 5日 14:19
じゅん様
GPIFは計算式を公表しているので、下記のように再計算もできます。
(CPI上昇率 0%、かつ、H22.4.30 の場合)
国内債券 = 実質長期金利 + CPI上昇率
= (名目長期金利-CPI上昇率) + CPI上昇率
= 10年国債最終利回り
= 1.28
国内株式 = 実質リターン + CPI上昇率
= 4.32 (PDF P6 中央値)
外国債券 = 実質短期金利 + リスクプレミアム + CPI上昇率
= (名目短期金利-CPI上昇率) + リスクプレミアム + CPI上昇率
= コール有担保翌日 + リスクプレミアム
= 0.07 + 1.4 (PDF P7 過去29年平均)
= 1.47
外国株式 = 実質短期金利 + リスクプレミアム + CPI上昇率
= (名目短期金利-CPI上昇率) + リスクプレミアム + CPI上昇率
= コール有担保翌日 + リスクプレミアム
= 0.07 + (6.5 - 2) (PDF P8 過去29年平均)
= 4.57
こうしてみると、GPIFとKKRのリターンに差はあまりないです。
Posted by leaf at 2010年6月 5日 14:28
ちなみに、みずほ信託銀行のリターンも、「マイナス2」すれば、
KKRと同じくらいになります。
ビルディング・ブロック方式 の3つ (GPIF, KKR, みずほ) は実質では、ほぼ同一と言えると思います。
リスクプレミアム推計が同じぐらいと言うことです。
ヒストリカル方式 算術平均 (ニッセイ) は、年金などの長期運用には用いられないことが多いです。少しは参考にしますが。
Posted by leaf at 2010年6月 5日 14:39
>leaf さん
詳しい解説をありがとうございます。
良く期待リターンとリスクの数値だけが使われますが、こうして見るとその数字の出所(どういう意味のある値か)を知る事が大切ですね。
勉強になりました。
Posted by じゅん@
at 2010年6月 6日 08:34
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